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健康診断を受けない社員は賞与カット!?

会社には健康診断の実施義務と罰則があるが、従業員にも罰則を科せられる?

社   長 :  『健康診断を受けない社員とその上司はボーナスをカット。社員3500人を対象に健康診断の受診率100%を目指す』。ローソンはおもしろいこと始めたな。 部長、君もこの記事は見たかい?
総務部長 :  はい、読みました。健康診断を受診しなかった社員は、翌年度のボーナスが本人15%、その上司も10%減らされるそうですね。おまけに要再検査の場合は、さらに本人8%、上司10%の減額ときてますから、うちの会社でも同じことをしたら、対象になる社員は数人はいますよ。
社   長 :  自分の健康は自分で守るのが当然だが、これだけ中高年社員が増えてくると、社員に任せっきりといういのも心配だ。この機会に、わが社でも導入してみるか?君の考えはどうかね?
総務部長 :  要再検査を受診しない場合も賞与カットとなりますが、そこまで厳しくする必要はあるでしょうか?
社   長 :  要再検査こそ受診させなくちゃダメだろ?おまけに要再検査で会社の負担が増えるわけじゃないからな。君のところの寺川くんとか斉藤くんあたりは大丈夫か?
総務部長 :  社長、今年の健康診断は厳しく指導します!
1.会社には健康診断の実施義務がある
会社は常時使用する従業員に対して、毎年一回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年二回)、定期健康診断を行う義務がある。また、一定の有害業務に従事する従業員については、特殊健康診断も実施しなければならない。
健康診断を実施していないとなると、労働安全衛生法違反ということで労働基準監督署からの是正勧告を受けることになるが、最悪50万円以下の罰金もある。
さらに、健康診断の結果は健康診断個人票として記録し、5年間保存する義務もあり、50人以上の従業員を使用する会社が定期健康診断を実施した場合は、労働基準監督署への結果報告も義務付けられている。
尚、常時使用する従業員のなかには、正社員だけでなくパートや契約社員であっても健康保険に加入しているものは含まれている。
2.従業員も健康診断を受ける義務がある!
これらの健康診断を確実に実施するために、労働安全衛生法では従業員に対しても健康診断の受診義務を課している。(労安衛法66条5項)。
但し、会社に対しての罰則はあるが、従業員の受診義務違反に対する罰則は設けていない。
しかし裁判例では、会社は従業員に対して労働安全衛生法上の健康診断の受診を職務上の命令として命じることができ、受診しない従業員に対しては懲戒処分を行うことが認められている。今回のローソンのケースはこれに該当する。
3.受診しない従業員は要注意。就業規則で会社防衛!
会社は従業員の健康に関して労働契約上一定の責任があり、従業員が業務を起因とする病気や死亡ということにでもなれば、安全配慮義務が問われるとともに、遺族に対する損害賠償責任も生じる。定期健康診断を実施していなかった23歳女性従業員が過労死した事件では、労働安全衛生法違反で罰金40万円が科せられた※1。つまり、健康診断を受診しない従業員を放置しておくことは会社にとって大きなリスクと認識しなければならない。
では、こうしたリスクから会社を防衛するためにはどのような対策をとればよいのであろうか。具体的には、まずは就業規則において、従業員の健康診断受診義務と受診しなかった場合の懲戒処分を明記しておくことが必要だ。つまり、健康診断の受診を厳しく従業員に義務付け、違反者にはペナルティを科すほど厳密に法律を順守しているという会社の姿勢を明確に示す。さらに、「要再検査」となった場合にも、会社は従業員に再検査を受診させる責任はないが、あえて就業規則で再検査受診を義務付けるとともに、従わない従業員については労務の提供を拒否する旨規定しておくことが望ましい。
※1:土川過労死刑事事件大阪地裁判決(大阪地裁平成12年8月9日判決)
4.費用負担と受診に要した時間の賃金について
健康診断の費用負担は、労働安全衛生法上、会社に実施義務が課せられていることから会社が負担すべきとされている。
また、健康診断の受診時間に要した時間の賃金の支払いについては、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいという通達がでていることから、賃金の全額保障が望ましい。なお、再検査については会社の法的義務はないので、その費用もその間の賃金支払いも負担する必要はない。
5.賞与15%カットは可能?
さて、健康診断を受診しない従業員に対する賞与カットだが、制裁としての賃金減額は、労働基準法第91条の「減給の制裁」で制限されている※2。また、賞与からの減給による制裁も同91条に該当するという通達がでている。
ただし、勤務評価によって賞与の額を決定することは減給の制裁とは別物である。賞与は毎月の給与と異なり、支給対象期間中の勤務評価等に基づく考課のうえ支給額を決定するのが一般的である。したがって、「査定」による判断が加味されることになるので、それが合理的である限り、原則として会社の自由に決められるといえよう。
※2:1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における10分の1を超えてはならない

※POINT

  • 会社は常時使用する従業員に対して、毎年一回定期健康診断を行う義務がある。実施していないと、労働安全衛生法違反となり50万円以下の罰金がある。
  • 従業員も健康診断を受診する義務があるが、会社のような罰則はない。そこで、就業規則において、従業員の健康診断の受診義務、受診しなかった場合の懲戒処分を明記しておくことが必要となる。
  • 会社は健康診断の費用を負担すべきであるし、受診に要した時間の賃金も保障することが望ましい。ただし、再検査の場合は、費用も賃金も負担する必要はない。

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