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定年後の賃金は給付金を活用しよう

定年後の継続雇用における賃金設計は、上手に給付金を活用できるかどうか。

社   長 :  ところで、渡辺工場長の件だが、彼には引き続き会社に残ってもらいたいと思っている。次は蔭山くんあたりと考えているが、まだまだ難しそうだからな。工場長には、もうしばらく後進の指導に力を入れてもらうつもりだ。
総務部長 :  前回のリストラで、うちは中堅どころが抜けていますからね。確かに、次は蔭山くんしかおりませんが、まだ36歳、年齢は関係ないかもしれませんが、次の工場長含みで2,3年は準備期間を設けたほうが、彼のためにもなると思います。
社   長 :  そこでだ、工場長の給与はどうしたらいいものだろう?仕事の内容が変わるわけではないが、代わりに蔭山くんを管理部長として昇給させてあげたいからな。退職金も支払うことだし、ある程度の給与引下げを飲んでもらうと助かるんだが。
総務部長 :  社長、いい制度がありますよ。給与が下がると雇用保険から給付金が貰えるんです。工場長には、給与を引き下げた場合のプランをいくつかお見せしたらいかがでしょう?
社   長 :  それはいいね、すぐに取り掛かってくれ。
1.高年齢雇用継続給付とは
一般的に、定年後に再雇用される場合、定年前と比べて賃金がダウンすることが多い。 そこで、60歳時点と比べて賃金が75%未満に低下した高齢者(60歳以上65歳未満)の雇用の継続を援助、促進することを目的としたのが「高年齢雇用継続給付」である。
「高年齢雇用継続給付」には、以下の2種類がある。
①失業給付を受けずに引続き雇用されている高齢者を対象とした「高年齢雇用継続基本給付金」
②失業給付を受けて再就職した時点での支給残日数が100日以上の高齢者を対象とした「高年齢再就職給付金」
2.給付の要件
高年齢雇用継続給付を受けるためには、次の要件を満たしていることが必要となる。
①60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者(短時間労働被保険者を含む)であること。
②雇用保険の被保険者期間が通算して5年以上※1あること。
③原則60歳時点※2に比べて75%未満の賃金で雇用されていること。
④高年齢再就職給付金については、再就職の前日における失業給付の支給残日数が100日以上あり、再就職手当を受けていないこと。
※1:過去に失業給付の基本手当を受けたことがある場合は、受給後の期間が5年以上。
※2:60歳時点で②の要件を満たしていない場合は、②の要件を満たした時点が60歳到達時となる。
3.支給額と支給期間
高年齢雇用継続給付の支給額は、各月の賃金が60歳時点の賃金の61%以下に低下した場合は、各月の賃金の15%相当額となり、60歳時点の賃金の61%超75%未満に低下した場合は、その低下率に応じた支給率を各月の賃金に乗じて計算する。
例えば、60歳時点の賃金が月額30万円で60歳以後の賃金が18万円になった場合、低下率61%以下、支給率15%となるので18万円×15%=27,000円が支給される※3。
また、各給付金の支給期間は次のとおりである。
①年齢雇用継続基本給付金の場合・・原則60歳から65歳まで。
②年齢再就職給付金・・・支給残日数に応じ再就職してから1年又は2年(但し、65歳まで)。
※3:毎月の賃金が343,396円を超える場合は給付金は支給されない。(平成24年8月1日~平成25年7月31日)
4.継続雇用における上手な賃金設計とは
継続雇用に
おける賃金を決める際のポイントには、次の3つがある。
①賃金を額面ではなく、「手取り額」で考える。
②国の支援制度である「高年齢雇用継続給付」を活用する。
③総人件費の軽減額を労使で配分する。
では、渡辺工場長をモデルケースとして具体的に考えてみよう。60歳時の給与は額面41万円、手取り額32.5万円であるが、60歳以降は、手取り額で25万円程度を希望している。額面を引下げるにつれて、本人の手取り額と会社負担がどのようになるか計算したものが次の表である。
  60歳時賃金 見直し後の賃金
給与額面 410,000 320,000 300,000 280,000 260,000
保険料 60,000 46,900 43,900 41,000 38,100
税金 24,800 15,900 14,000 12,300 10.700
給付金 ※4 0 0 5,000 18,000 31,000
本人の手取り 325,200 257,200 247,100 244,700 242,200
総人件費 ※5 472,700 368,900 345,900 322,800 299,800
手取り額25万円、かつ、給付金を活用するとなると、見直し後の賃金は30万円、28万円、26万円のいずれかから検討することになる。注目すべきは、30万円から28万円、26万円へと額面を引下げても、手取り額はたいして減らないのに対し、総人件費はしっかり軽減される点である。30万円と26万円を比較した場合、本人の手取りは4,900円減るだけだが総人件費は46,100円軽減される。ここに労使双方が協力し合えるヒントがある。
例えば、会社の負担が減った総人件費46,100円から本人の手取り減少分4,900円を補てんしてあげるのである。仮に、補てん額を1万円としても、会社は36,100円軽減できるし、本人は5,100円プラスになる。
つまり、ちょっとした工夫により労使双方が得することになるのだが、その秘密が「高年齢雇用継続給付」というわけである。なお、差額を補てんする方法としては、本人が最終的に退職する際の退職金(これを第二退職金とする)の形式が考えられる。
65歳継続雇用の流れには多くの企業が消極的だが、国の制度を上手に活用すれば労使双方にとってのメリットとすることもできる。賃金水準は経営の重要事項であり、定年社員をリーズナブルに活用できる継続雇用制度は、まさに一考に値する。
※4:給付金は非課税である。
※5:総人件費=給与+保険料等

※POINT

  • 継続雇用後の賃金水準は、「手取り額」で考えるべきである。
  • 給付金と人件費削減額の適正配分により、労使双方メリットのある賃金が決まる。
  • 65歳継続雇用は時代の流れであり、定年後社員の戦力化を積極的に検討すべきである。

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